なぜ「アート」か。
近代土質力学の父といわれ、地盤工学を創出したK.Terzaghi(テルツァーギ)は、自分の著書である「土質力学」によって、世の地盤工学技術者に対して、「地盤の問題が構造力学のように計算で解決できる」という誤解を与えたと、悔い悩みました。そうして、あらゆる機会,あらゆる場面で『地盤工学は、Art(術)である』と生涯を通じて説得されました。この精神を少しでも汲み取れれば幸いであるという願望を、社名に表したものであります。
「スペース」は、「宇宙の視点から地球を見る。」という意味を込めています。
人間と自然を限りなく愛する技術者でありたいと念じています。
●土の目視確認
一般的に、宅地地盤調査はスウェーデン式サウンディングで実施されることが多いのですが、このスウェーデン式サウンディングは、土を直接目視できないという欠点があります(先端のスクリューポイントに付着した土だけでは、地層構成を把握するには不確実です)。そこで弊社では、必ずハンドオーガーを併用し、土を目視確認しております。また、ハンドオーガーは、浅層の地下水位の有無も確認できます。関東ロームなどの特殊土は、スウェーデン式サウンディングでは、かなり過小に評価されるため、土の目視確認をしない場合、ローム地盤を軟弱地盤と勘違いしてしまう事例が多くあるようです。軟弱地盤と評価されたローム層は、大金をかけた杭工事や改良工事で、工事前より地盤強度を落としてしまう場合もあるようです。
●支持力の評価
スウェーデン式サウンディングの換算N値は回転圧入データを標準貫入試験の打撃データに換算しており、N値との相関性は絶対的なものではないことを理解した上で、地盤の評価・検討をする必要があります。重量構造物(木造以外)の設計には、適用しないほうが無難であると考えます。国土交通省の告示式では、自沈層でも30kN/m2が与えられ、条件によっては沈下等の検討が必要と述べられているが、検討方法などは示されていない。告示式があやふやなのは、スウェーデン式サウンディングが不確定要素が多く、地盤の専門家に評価を委ねている証拠といえます。